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2024年7月31日news【鹿沼文化財発掘！プロジェクト】新聞記事掲載のお知らせ（東京新聞）
2024年7月31日info【鹿沼文化財発掘！プロジェクト】未指定文化財の発見と記録
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【鹿沼文化財発掘！プロジェクト】未指定文化財の発見と記録

ふるさと納税型クラウドファンディングにて、新しいプロジェクトに挑戦中です。

私たちは普段、仏像修理工房として日々仏像などの木造の文化財修理を行っています。 2017年の工房立ち上げ以来、多くの所有者さんからこれまでの悩みや葛藤、次世代に繋げたい思いなど、たくさんお話を聞いてきました。

・保管方法、継承などについて相談できる場所を知らなかった ・状態がわからない（修理が必要か）気軽にみてくれる人がいない ・どんなものかよくわからず受け継いできた　etc…

様々な不安を所有者さんが抱えている状況を知り、「私たちにできることはないか」と常に模索しておりました。
そんななか、活動拠点の鹿沼市で「ふるさと納税型クラウドファンディング」のプロジェクト募集があることを知りました。 これを機に、今まで起こせなかった行動をしてみようと応募を決め、企画書提出からプレゼンを経て、この度鹿沼市のプロジェクトとして認めていただきました。

わたしたちはあくまで仏像修理工房の修理者です。 鑑定士でもなく、ものの価値を決める立場でもありませんが、 「誰かが何かを大切にしている気持ち」「次の世代に伝えたい思いがあること」を少しでも多くの人に共有し共感を生む場をつくりたいと考えています。
まずはお世話になっている鹿沼市から挑戦してみます。 様々な思いを伝え合う相談会開催実現に、ご支援いただけると嬉しいです。

【鹿沼文化財発掘！プロジェクト】
https://www.furusato-tax.jp/gcf/3142
※こちら、鹿沼市民の方にも寄付していただけます！！
通常の納税ですと使い道を指定できませんが、ふるさと納税を通して指定できるという形です。

寄付募集期間：2024年7月19日～2024年9月18日（62日間）

【野木町個人蔵阿弥陀如来坐像修理】

※本事業を取材していただいた様子が、本日(3/21) 21:00から、とちぎテレビ「ナイトニュース9」で放送されます※

栃木県宇下都賀郡野木町の個人の方からお預かりした「阿弥陀如来坐像」を修理のご報告です。

修理のご依頼を受け調査に伺った時は大変驚きました！
大変立派なお像で、お寺やお堂にあってもおかしくないような佇まい。

お像の縁起を伺うと…
【約 50年前、墓地にあったお堂の取り壊しを機に施主様のお宅で保管することになった。参勤交代の時にも拝まれていたらしいが詳細については不明。】
とのこと。
本修理で確認できた墨書によると、寛政 11 年 (1799 年)の修理を行った際には本像を管理されていた方は複数名いらっしゃったようです。
またファイバースコープによる撮影では胎内に巻物があることも確認できましたが、本体解体の必要がなかったため、取り出すことはしませんでした。

本体の大きさは高さ46cmです。
丁寧に作られたお像ですが、経年により漆箔の下地が露出するような剝落が本体、台座、光背すべてに生じていました。

本体は構造上の状態は良いものの、指が一部亡失していました。
台座は特に蓮華部の損傷が激しく蓮弁も一部脱落していました。また、蓮肉部の底部が崩れていたため敷茄子に載せることができず…施主様のアイデアで、お盆を挟み込むことで蓮肉部を支えていました！（修理前写真をご参照ください）
光背は前後が逆に取り付けられており、動物に齧られたような跡や、近世のボンドで応急処置をしたような跡がありました。

本修理では本体は解体せず、框部を一部解体、蓮肉部を全解体とし修理を行いました。
台座は各部の間に隙間が生じており、全体に後傾していたため傾きの解消も行いました。

修理後はもともと安置されていた場所にお戻りいただきました。
（このサイズぴったりな箱、施主様のお友達が洋服たんすを改造して作られた特製のお厨子なのです！）

いろんな方の工夫と知恵で守り継がれてきた阿弥陀様、これからも末永く私たちを見守り続けてくださることを願います。

ご依頼いただきありがとうございました。

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【木幡神社蔵太々神楽面　パートⅡ】

栃木県矢板市にある木幡神社の神楽保存会様から再度ご依頼いただきました。
昨年12月にはお返ししたのですが、ご報告がだいぶ遅れてしまいました…

今回は「岩戸」「シコウ（三神和合）」「農業」「国固」と呼ばれている合計4面の修理です。
3面は補彩修理。1面は前回の修理がピカピカすぎるのでもう少し他と馴染むように古色をしてほしいとのご依頼でした。

今回の修理も前回と同様、他にも多数あるお面との印象が変わらないようにするため最低限の修理に留めています。

古色付の「国固」以外のお面は共通で作業を行っています。
木地と彩色層の間にセルロースを注入し、剝落止めを行いました。
木地が露出している箇所は、隣り合う彩色層の剝落を防ぐために補彩も兼ねて胡粉下地と彩色を施しました。

「国固」はペンキかアクリルのような水で落ちない絵の具で塗られていました。古色付は顔彩でおこない、今後必要に応じて古色付前の状態に戻せるようにしています。

修理は、年始の御神楽に間に合うようお返しすることができました。

ご依頼いただきありがとうございました。

▼矢板市HPより▼
https://www.city.yaita.tochigi.jp/site/kankou/kibatajinja.html

#木幡神社 #矢板市 #三乗堂 #sanjoudou #鹿沼 #文化財修復 #仏像修理 #太々神楽 #japan #神社 #彩色 #kanuma #栃木県 #tochigi #restoration #woodensculpture #woodwork #traditional #文化財 #木彫 #woodenstatue

✴︎✴︎✴︎明けましておめでとうございます✴︎✴︎✴︎

2024年も、何卒よろしくお願い申し上げます。
皆様にとって良いご縁のある一年となりますように！

令和六年元旦
三乗堂スタッフ一同

#sanjoudou #仏像修理 #あけましておめでとうございます #お正月 #japan #newyear2024 #仏像 #鹿沼 #栃木県

【年末年始のお知らせ】大晦日のお

【年末年始のお知らせ】

大晦日のお知らせとなってしまいました。
本年の工房の冬季休業は下記の日程となりますので、お知らせいたします。

■ 休業期間 ■
2023年 12月28日(木)～2024年1月8日(月)
・
新年は2024年1月9日(火) 午前9時00分から通常通り業務開始いたします。
メールなどはお返事が遅れてしまう可能性がありますこと、ご了承ください。

...........

毎年あっという間って書いてる…と気づきました。
2023年も飛ぶように過ぎました。

工房初めてのアルバイトさん、イタリアからの研修生など、今年も初めてがたくさん。
様々な学びがありました。

人の出会いも、仏さんとの出会いも大切にしていきたいと思います。

来年も楽しみです！

1年間ほんとうにありがとうございました。
2024年もどうぞよろしくお願いいたします。

※動画はうろうろしているだけに見えるかもしれないけれど、阿形の前面左右材をくっつけようと調整している大切な場面です。

#三乗堂 #sanjoudou #年末のご挨拶 #仏像修理 #仏像 #年の瀬 #年末年始 #鹿沼 #栃木県 #仁王像 #金剛力士立像 #最勝寺 #木彫 #woodensculpture

【初のワークショップ@神奈川県立歴史博物館】

先日、神奈川県立歴史博物館で開催中の特別展「足柄の仏像」にあわせて、
「ほとけさまのアクセサリーをつくろう！」というタイトルでお子様向けのワークショップを行いました。
展示中のお地蔵様の胸飾を基にした台紙にビーズ等のパーツを自分好みに組みあわせてオリジナルの胸飾を作ろう、という内容です。

弘済寺蔵地蔵菩薩坐像の修理事業で修理アドバイザーとしてお力添えをいただいたご縁から、
本企画展の担当学芸員神野様よりワークショップ開催のお誘いをいただき、講師をさせていただきました！

皆さん、すごい集中力で取り組んでくださり素敵な胸飾が出来上がりました！
ワークショップをきっかけに、参加されたお子様たちが少しでも仏像や仏像修理について興味を持ってもらえたら幸いです。

今回、修理させていただいたお地蔵様が博物館に展示され、さらにはお像に関わるワークショップにも携わらせていただき、博物館様には感謝の気持ちでいっぱいです。
また、弘済寺様におかれましてはお地蔵様の胸飾デザインを参考にすることにご快諾いただき感謝しております。

神奈川県立歴史博物館で開催されている「足柄の仏像」、いよいよ今週末(11月26日)で閉幕します！
まだの方はぜひ！

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神奈川県立歴史博物館特別展「足柄の仏像」
この展示では、弊社で修理させていただいた弘済寺様の地蔵菩薩坐像と脇侍の掌善童子像・掌悪童子像が三体揃って展示されています。
また、地蔵菩薩坐像の修理事業と三乗堂の約2年間を追ったinahoさんのドキュメンタリー「The Art of Restoration」も博物館ロビーにて上映されていますので、
ぜひあわせてご覧ください。
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#神奈川県立歴史博物館 #足柄の仏像 #仏像 #文化財 #三乗堂 #sanjoudou #仏像修理 #仏像修理師 #ワークショップ #ワークショップ開催 #ワークショップイベント #子供向けイベント #弘済寺 #地蔵菩薩坐像 #胸飾 #アクセサリー #装飾品 #inaho #ドキュメンタリー #kanagawaprefecturalmuseumofculturalhistory #buddhiststatue #ashigara #workshop #restoration #sculpture

【青蓮寺蔵阿弥陀如来立像出張修理

【青蓮寺蔵阿弥陀如来立像出張修理】

今回は3日間の現地修理についてご報告します。
出張修理では修理箇所を緊急性のある損傷に限定し、短い期間で現状を維持しつつ
少しでも状況改善することで後世に仏像が伝わりやすくなることを目指します。
（お気軽にご相談ください！）

茨城県常陸太田市にある青蓮寺様のご本尊「木造阿弥陀如来立像」の修理です。
本像は鎌倉時代の作とみられ、県指定文化財にもなっています。
お像の足元は踏割蓮華座、光背は二重円光背に放射光が取り付く珍しい形でした。

今回の出張修理では、緊急性の高い台座光背をメインに修理を行いました。

まず光背が前傾しお像と接触していたので、枘にヒノキ材の薄板を入れ垂直に自立できるよう調整しました。
放射光は頭光部分から離れ、外縁の一部も接着がきれ、放射光の竹ひごも何本か亡失していました。
接着が切れた放射光の外縁部を再接着し、亡失した放射光を煤竹で新補し古色を施しました。
また、二重円光背の身光部に割れが生じており、針金で応急的に繋がれている状態でした。
針金の撤去と、隙間が生じている箇所をメインに部分解体を行い、膠で再接着し組み上げました。
最後は、頭光部に放射光を取り付け、元の形に戻りました。

台座は、一部蓮弁が脱落し、所々彫刻が欠失していました。
脱落した蓮弁をはじめ、周囲の固定が緩んでいる蓮弁を一旦外し、膠と真鍮釘を併用して再固定しました。
欠失している箇所は、緊急性がないと判断し今回は補作しませんでした。
また、台座及び安置場所の床面には生物痕と思われる白い汚れが付着していたため、湿式クリーニングで入念に除去しました。

本体は、台座光背と比べて保存状態は良好でしたが、両手先・両足先が脱落しかけていたため、両手先・両足先を一旦解体した後、膠で再接着を行いました。

修理が終わった後、ご住職様が「きれいになって、放射光も元通りになってよかった。」と喜んでおられ、私たちも全力で修理した甲斐があったなと嬉しく感じました。

さて、常陸太田市では、毎年「集中曝涼」並びに文化財公開が2日間限定で行われます。曝涼とは、カビや虫の発生を防ぐ「虫干し」です。
青蓮寺様も毎年参加されており、修理させていただいた阿弥陀様も近くで拝むことができるそうなのでぜひ足を運んでみてください。

「常陸太田市　集中曝涼　文化財公開」
令和5年10月14日(土)・15日(日)
10:00〜15:30まで(一部15:00まで)
※荒天中止(雨天は一部公開制限)

青蓮寺様含む24ヶ所、曝涼が行われるそうです！
詳細は常陸太田市教育委員会のページをご覧ください▼
https://www.city.hitachiota.ibaraki.jp/page/page003787.html

ご依頼いただきありがとうございました。

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【報恩寺蔵厨子入り釈迦如来坐像修理】

栃木県宇都宮市にある報恩寺様からお預かりした「厨子入り釈迦如来坐像」です。

像高約16cmの小さなお姿から想像できないほど1本1本の彫り跡が細かくて美しく、作者の技術力の高さを感じました。
全体的に煤や埃が堆積し固着していたことから、長年大切に拝まれてきたことがわかります。

入念にクリーニングをしたことにより、本体に施されていた金泥彩色が所々あらわれて
お厨子内部と台座光背は金色に近い状態まで戻すことができました。

本体は、継ぎ目の接着力が経年により失われ、隙間が生じ、頭部では玉眼がズレていました。
接着が緩んでいる部材は解体を行い、膠で再接着を行いました。玉眼の位置も後頭部を解体し、修正しました。
後頭部を解体した際に、頭部内部から納入品（墨書）が発見されました。
また、左右前膊の衣の形が周囲の彫刻と合わず不自然であったため、後世の修理痕であると判断し、撤去後にヒノキ材で新補しました。

台座・光背・厨子は、「本体と彫刻の雰囲気が違うこと」「改造の痕があること」「台座に光背を挿すと、厨子に入らないこと」から、
いずれかのパーツが他のお像から転用されたものと考えられます。

台座は蓮華部左側の蓮弁が脱落している状態でした。
蓮弁を全解体し、葺き直したことで自然な蓮の形に戻りました。
また、お預かりした際は台座全体がぐらついていました。解体し、台座全体を支える心棒を固定する構造材を新補したことで、ぐらつきを解消しました。

光背は亡失箇所が多く、補作にいちばん時間がかかりました。
脱落部材を組み上げた後、足りない箇所をヒノキ材で補作し、漆箔して周囲に合うように古色しました。
修理を行なったことで台座光背が厨子の高さを超えてしまい、中に光背が入らなくなりました。
厨子を新調するか光背を別保管するかを施主様と話し合い、今回は光背を取り外した形で安置することとなりました。

本体・台座・光背・厨子、それぞれ制作時代や作者が違いますが、それはこれまでお像を守ってきた方たちの「守り伝えたい」試行錯誤だと感じ、感動しました。

報恩寺様は寺ヨガや坐禅体験、蓮の花などInstagramで紹介されておりますので、ぜひご覧ください！
報恩寺様▶︎ @houonji.utsunomiya

ご依頼いただきありがとうございました。

#三乗堂 #sanjoudou #仏像修理 #報恩寺 #報恩寺宇都宮 #仏像 #彫刻 #栃木 #宇都宮 #鹿沼 #木造 #文化財 #金箔 #漆 #彩色 #古色 #sculpture #woodworking #buddhastatues #culturalproperty #restoration #coservation

「The Art of Restoration」

仏像修理と聞くと「壊れた仏像をなおす」という物理的な部分が目立ちがちですが、仏像修理を通して、修理の痕跡や先人が残してくれた修理銘札(記録)が見つかることがあり、そこからお像が辿ってきた歴史が見えてくることがあります。

先日公開されたドキュメンタリー映像会社inahoさんの作品「The Art of Restoration」では、一つの修理事業にフォーカスして、お像をこれまで守ってきた所有者の弘済寺様、修理事業のアドバイザーを担当した神奈川県立歴史博物館の学芸員さん、そして私たち仏像修理師、それぞれの目線でお像と対峙する模様が描かれています。
普段言葉では伝えきれない瞬間が、この映像で表現されていました。

また、日々めまぐるしく修理に追われて過ごす私たちですが、ちょうど撮影が行われていた2020年から約2年間は特に忙しく過ごしていたような気がします。
その期間の映像を見て、「こんなこともあったね！」とすっかり忘れていた記憶が蘇り、懐かしく感じました。
(スタッフ中愛の生後8ヶ月の息子が映像で登場します。親バカですが、ぷにぷにムチムチのかわいい映像ですので、ぜひそこも注目していただきたいです！笑)

さて先日、6/8〜10の3日間限定で文化財公開を行っていた弘済寺様。私たち三乗堂もお邪魔したのですが、その会場でinahoさんの映像が流れておりました！
みなさん真剣な様子で、画面に釘付けでした。
(嬉し恥ずかし)

この作品公開により、snsやYouTubeで嬉しいコメント・ご感想をいただきました。
普段あまり見ることができないであろう調査風景や修理風景、所有者様とのやり取りなど、また新たな仏像修理の側面を知っていただける機会になり、大変嬉しく感じます。

約2年間と長期にわたって撮影してくださり、素晴らしい映像を作ってくださったinahoさんに深く感謝しております。

inahoさん作品はYouTubeにて公開されておりますので、ぜひご覧ください！

inaho film webサイト▼
https://www.inahofilm.com

inaho film「The Art of Restoration」▼
https://youtu.be/GtU849MM1TQ

@ino_inaho
@kosaimitsuji

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